シルクのボディタオルは泡立つのか?泡立たないのか?どっちなんだいっ!?西陣の絹糸屋が解説します。

おはようさん(養蚕)どす。京都西陣絹糸問屋・中忠商店のWEB番頭でございます。
さて、本日は「シルクのボディタオルは泡立つのか?」についてのお話です。
・シルクの浴用タオルは泡立つの?泡立たないの?
・そもそも、泡立つってどういうこと?泡立つと良いことがあるの?
などについて、TES(繊維製品品質管理士)の見地から解説いたします。
【目次】
・結論:シルクは泡立ち困難です。
・シルクはなぜ泡立たないの?
・解説:泡立つ仕組み。
・泡立ちの良いものってどんなもの?
・「泡立つ」と何が良いの?メリットは?
・終わりに。泡が立たなくても、、、
結論:シルクは泡立ち困難な素材です。。。残念っ!

結論から言えば、シルクは「泡立ちにくい」素材です。シルクのボディタオルも、原理的には泡立ちにくいものになります。
今回はシンプルな結論で、これ以上でもこれ以下でもありません。
「全く泡立たない」というわけではありませんが、もこもこぶくぶくとした泡立ちは期待できない素材になります。
では、なぜシルクは泡立ちにくいのか?そもそも「泡立つ」というのはどのような原理(仕組み)なのかについて解説いたします。
シルクはなぜ泡立たないの?泡立つってどういうこと?

「シルクが泡立たないのは、動物性のたんぱく質繊維だから」は間違いです。よくある間違いなので注意しましょう。
髪やお肌はシルクと同じ動物性たんぱく質(ケラチン)ですが、シャンプーやせっけん、ボディソープ、洗顔料などがしっかり泡立ちます。動物性たんぱく質の繊維だから泡立たないというのは誤解(正確に言えば「不正確」)です。
では、なぜシルクは泡立たないのでしょうか?
答えは、シルクは繊維の中に「水」や「泡立ち成分(界面活性剤など)」を吸収して、泡が立つための材料を繊維の中に取り込んでしまうためです。シルクは極細の繊維が集まってできている構造のため、その隙間に泡立ちの材料を取り込んでしまいます。
「繊維の性質・構造により泡立ちにくい」というのが科学的に正しい理解になります。
解説:泡立つ仕組み、泡立つ理由。

「泡が立つ」という現象は、液体の薄い膜で気体を包み込んだ「泡」が適度な表面張力により安定して持続することを言います。適度な表面張力を保つためには、界面活性成分(せっけん、ボディソープなど)が必要になります。
泡が立つための3要素は、
・水などの液体
・空気などの気体
・適度な表面張力(界面活性成分)
です。
繰り返しになりますが、シルクのボディタオルが泡立ちにくいのは、3要素のうちの「水」「界面活性成分」を繊維の中に取り込んでしまうためで、いくら「空気」があっても泡を構成する材料が不足してしまうからです。
泡立ちの良いものってどんなもの?

泡立ちの良いものの代表例は「スポンジ」です。厳密にいえば、ナイロンやポリウレタンなどの「疎水性」の高い素材でできたスポンジです。食器洗い用のスポンジやお風呂洗い用のスポンジはこのタイプが大半です。
「えっ?スポンジだって穴あきの構造で、水や界面活性成分を吸い込んでしまうんじゃないの?」というお声が聞こえてきそうですが、構成している繊維・素材が「疎水性=水を吸わない、水が浸透しない性質」のものの場合、それらを内部に吸い込んでしまうことはありません。
スポンジの中に取り込んだように見えて、繊維・素材表面に自由に付着しているだけなので、空気と触れて撹拌(かくはん)されれば、泡立ちの原料としてしっかり活躍できる状態になっています。
そのほか、ポリ乳酸繊維やナイロンなどの疎水性の高い繊維でできたボディタオルも、しっかり泡立つものの代表になります。
参考商品:【画期的】ポリ乳酸繊維とシルクを掛け合わせたボディミトン『絹ごし泡職人。』
泡立つと何が良いの?メリットは?

泡立つことの最大のメリットは、原料になっている良い成分(洗浄成分や美容成分など)を広い範囲かつ狭いところにまで届けることができるようになることです。
「泡」ができることで、成分が溶けた水の表面積が大きくなり、成分が届く範囲が広くなります。また、細かく広がることで、狭い場所・届きにくい場所にまで入り込んで成分を届けることができるようになります。
終わりに 泡が立たなくても、、、
今回は、シルクと泡立ちについて解説いたしました。
シルクが泡立ちにくい理由、泡立つ仕組み、泡立つことのメリットなどについて、ご理解いただけましたでしょうか?
最後に、シルクのボディタオルを擁護するわけではありませんが、泡立たないシルクボディタオルにも、もちろんメリットがあります。それは、繊維に含んだたっぷりの水の力とシルクの極細繊維が汚れを絡めとる作用で「自然にお肌をやさしく洗い上げることができる」ということ。
※「シルクが肌にやさしい」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
是非、せっけんやボディソープをつけずに体感してみてください。
参考商品:【水だけで優しく洗える】シルクメッシュボディタオル『西陣の普段使い。』
泡立つこと、泡立たないことのそれぞれのメリットをご理解いただき、ご自身のコンディションやお好みに合わせたグッズを選んで、快適なバスタイムをお過ごしください。
