行き詰まったら「遠く」を思う|初代中村忠三郎

仕事が行き詰まったときは、遠い先と遠い過去を思いなはれ。
今のことばかり考えておりますと、
煮詰まった状況から、いつまでも抜け出せまへん。
少し先のことを考えてみても、
今の延長のことしか思い浮かびまへん。
少し過去のことを振り返ってみても、
今に至った経緯のことしか見えてきまへん。
遠い先を思い描いてみれば、
今とらわれていることのほかに、
まことに追うべき、もっと大切なものがあることに気づきます。
遠い過去を思い返してみれば、
昔は、思い悩むことすらなかった、
何も持たんかった頃があったことに気づきます。
今、悩むことのできるものがあるということは、
それだけ精進を積み重ねてきた証でもあります。
行き詰まったときほど、
遠い先を見て志を確かめ、
遠い過去を見て歩んできた道を確かめなはれ。
そうすれば、
目の前の悩みは消えんでも、
向き合い方はきっと変わるもんどす。
きょうも、おきばりやす。



